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ドローンお役立ち情報 Vol20『催し場所(イベント)上空』飛行の注意点…ほか

ドローン関連
明けましておめでとうございます。
本年もサポートメンバー様向けに、ドローン運用についてのお役立ち情報をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします。

①「催し場所(イベント)上空」飛行の注意点

「催し場所上空」の飛行とは?

冬はマラソン大会等で、なにかと問い合わせが多くなる「催し場所上空」の飛行ですが、かなり無茶な飛行申請のご相談も多いので、今回は「催し場所上空」の飛行について深堀してみたいと思います。

 

<航空法 第132条の86> 
無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
<第2項第4号>
祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。
催し場所上空の飛行・・・一般的には「イベント上空飛行」と言われたりもしますが、この「催し場所」に当たる上空の飛行は、航空法にて禁止とされております。
それではこの「催し場所」とは具体的にどのような場所を指すのでしょうか?
「催し場所」とは?
「多数の者の集合する催し」とは、特定の場所や日時に開催される多数の者の集まるものを指します。
どのような場合が「多数の者の集合する」に該当するかについては、催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上等の人に危害を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や規模だけでなく、特定の場所や日時に開催されるものかどうかによって総合的に判断されます。(※)
具体的には、以下のとおりとなります。
○該当する例:法律に明示されている祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート、町内会の盆踊り大会、デモ(示威行為) 等
○該当しない例:自然発生的なもの(例えば、信号待ちや混雑により生じる人混み 等)
(※)人数について、特定の時間、特定の場所に数十人が集合している場合は、「多数の者の集合する」に該当する可能性があります。

「催しが行われている時間」とは?
コンサートの開演前やスポーツの試合開始前などの開場から、これらの観客の退場後の閉場までは、当該場所に多数の者が集まる可能性があり、「催しが行われている」時間となります。

<航空局無人航空機(ドローン、ラジコン等)の飛行に関するQ&A より>

 

そういうことで、主催者があって開かれる、スポーツ大会、お祭り、文化行事、祭礼などは全て「催し物」に当たると考えてよさそうですね。

「催し場所上空」での撮影エリア

催し場所上空を飛行させる場合は、以下の安全対策を講じなければなりません。それではどのような安全対策が必要なのでしょうか?

(1)立入制限区画の設定

立入禁止区画の設定範囲と高度の関係は以下の図の通りです。


<国土交通省資料:催し場所上空での飛行にあたっての必要な安全対策>

例:ドローンを高度49mまで上げ、左右200mを直線で移動して撮影したい場合、以下のように機体の飛行経路から全方向に水平距離で40mを立入禁止区域にしなければなりません。

このように、被写体からかなりの距離をとらなければならないため、必ずしも依頼主が求める映像が撮れない場合もあります。その辺は、このような法令があることで要望を満たす映像を撮影することが難しい旨を事前に説明しておく必要がありますね。

(2)その他の安全対策
<機体要件>
〇国が定めた要件に適した機体を使用すること

〇プロペラガード等の接触時の被害を軽減できる装置を装着していること
<風速制限>
〇風速5m以下であること
<速度制限>
〇風速と速度の和が7m/s以下であること

<例外措置>
〇機体に係留装置の装着又はネットの設置等を活用した場合
〇機体メーカーが自社の機体の性能に合わせ落下範囲を保証している等、その技術的根拠について問題ないと判断できる場合

飛行承認申請の注意点

催し場所上空の飛行を申請する際の注意点は以下の通りです

〇イベント主催者の協議と承諾
必ずイベント主催者と飛行計画等を協議し、その「協議の日時、相手、内容、飛行承諾の是非」を申請の際に記載する必要があります。
〇飛行エリアマップの作成
地図上に「飛行経路、催し場所の位置、観客の位置、飛行エリア、飛行禁止区域、補助者の位置」等を明記して添付する必要があります。この際に、観客と飛行禁止区域の距離を表すスケールも必要です。

飛行エリアMAPの一例:

※飛行位置からの立入禁止区域の端までの距離を明記した方が良いです。
〇関係各所との調整
事前に飛行エリアを管轄する警察署とは、当日の飛行計画を共有しておきましょう。

ただし参加者が確定している場合は、ドローンで撮影する旨を告知し、参加者全員の承諾を得ていれば「催し場所」に当たらないケースもあります。ご不明な場合は、当事務所にご相談ください!

②糸魚川市消防本部、強風でドローンを喪失する

上越タイムス2022年12月8日の記事より

以下、12月8日の上越タイムスの記事を抜粋
糸魚川市消防本部の所有するドローン1機が、市内で操縦訓練の実施中に亡失する事故が発生していたことが分かった・・・
市消防の報告によると、11月20日に京ケ峰地区で行われた火災防御訓練で、着陸態勢に入ったドローンが強風で流され、制御不能となり機体を見失った。約1.5キロ離れた押上の海岸沖合200メートルに着水した可能性が高く、海岸線を捜索したが見つかっていない・・・
機体は住家や交通機関の上空を飛行したと見られ、委員からは落下や接触の危険性が指摘された。消防本部が所有する2機のうち、残る1機は修理中のため、現在飛行できる機体がなく、災害対応に備えて予備費を充用して早急に購入するとしている。亡失した機体の価格は80万円・・・

記事の内容からすると、どうやら海に着水してそのまま沈んでしまったようですね。
他の新聞社の記事では、「強風に流され・・・」とか「北陸新幹線の高架を越え、海に落下した・・・」という内容も見受けられます。
どのような機体を操縦していたかまでは確認できませんでしたが、今の汎用ドローンであれば、地表で8~10m/s程度の風でも耐えられるものも多いので、もし強風での落下という事であれば、相当の風が吹いていたということになります。そのような風の中で新幹線の高架を越えるような飛行をするということは非常に危険ですね。
そもそも、『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領』では、風速や鉄道上空について、飛行の制限が明記されておりますのでもう一度ご確認ください。

③ドローン物流についての最近の動向


<12/25のYahooニュースよりhttps://news.yahoo.co.jp/articles/babbaa62e95f4b53e58d5ddbd260ee28923c7cce>


<12/20のYahooニュースよりhttps://news.yahoo.co.jp/articles/f74899c6e251448526dd1ba0d65ad1414f74bceb>

2022年12月5日の改正航空法施行より、ドローン配送等の実証実験のニュースが頻繁にアップされるようになりましたが、今までと何が変わったのでしょうか・・・

実を言うと、実際に行われている実証実験につきましては、今までと同じ「レベル3」に当たる実証実験であり、法改正で解禁となった「レベル4」の実証実験は一度も行われておりません。何故かと言いますと、10月の記事にも書いたように、レベル4の飛行を行うには、人と機体の要件が揃わなければなりませんが、現(2023年1月8日)時点では、レベル4の飛行ができる「第一種認証」の機体が存在しないためです。「ACSL社」が12月5日に申請したとのニュースもあっておりますが、航空機並の基準をクリアしなければならないとのことですので、2023年中に認証があるかどうかは不透明です。従いまして、ドローン配送の商用化は、レベル3の飛行にあたる「離島や山間部」などで年内から来年に向けて徐々に始まると思いますが、レベル4については、かなり先になるかと思われます。

 

 

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