①ドローンの飛行に関する法令違反と刑罰について
②自衛隊基地の上空をドローンが・・・会社役員を書類送検2024/10/7(静岡県富士市)
③福島空港、ドローン飛行で滑走路を閉鎖 2024/11/7(福島県石川郡玉川村)
仕事でドローンを使いたいと思っていますが、罰則が厳しいと聞いて自社での運用をためらっています。どのような場合にどんな罰則があるのか詳しく教えてください。
ドローンを飛行させるには、航空法や関係法令、小型無人機等飛行禁止法、電波法、道路交通法などを遵守する必要があります。これらの知識を把握し、違反した場合の罰則も知っておくべきです。そこで今日は、特に航空法とその関係法令の「違反行為と罰則」にスポットを当ててご説明します。
①ドローンの飛行に関する法令違反と罰則について
それでは、違反行為と罰則について、個別にご説明したいと思います。
まずは、航空法第132条の85(飛行禁止空域)に関する違反と罰則について見てみましょう。
1.飛行の許可が必要となる空域で違反した場合
<国土交通省HP資料>
飛行が禁止されている空域は以下の通りです。
・空港の周辺(制限表面上空の飛行)
・地表より150m以上の上空
・緊急用務空域※災害発生時指定される
・人口集中地区(DID)の上空
以上の空域を飛行の「許可なし」又は「許可の要件に反する」違反飛行を行った場合は罰則の対象となります。具体的な事例とその罰則は以下の通りです。
2.承認が必要となる方法に違反した場合
<国土交通省資料>
禁止されている飛行の方法は以下の通りです。
・夜間飛行
・目視外飛行
・第三者及び第三者の物件から30m未満の距離の飛行
・催し場所上空での飛行
・危険物の輸送
・物件投下
法第132条の86第2項1号から6号までに記載された「飛行の方法」に違反した場合は、罰則の対象となります。
3.アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させた場合
<国土交通省資料>
禁止されている飛行の方法は以下の通りです。
・アルコールや薬物の影響下での飛行
・高調音や他者を威嚇するような飛行
法第132条の86第1項1号と4号の「飛行の方法」に違反した場合は、罰則の対象となります。
4.負傷者発生時の救護義務を怠った場合
<国土交通省資料>
禁止されている飛行の方法は以下の通りです。
・負傷者発生時に必要な措置を行わなかった場合
法第132条の90の「負傷者の救護義務」に違反した場合は、罰則の対象となります。
5.登録を受けていない無人航空機を飛行させた場合
○第132条の5で規定される「登録記号の表示」
<国土交通省資料>
100g未満の機体など一部の例外を除き、無人航空機は国土交通省へ機体登録し、規定のサイズ以上で機体に表示させると同時に、登録情報を入力したリモートIDを搭載しなければなりません。
「機体登録義務」、「記号の登録義務」又は「リモートID搭載義務」に違反した場合は、罰則の対象となります。
6.飛行計画の通報を行わないで特定飛行を行った場合
<DIPS2.0画面>
100g以上のドローンで、特定飛行(許可・承認が必要な飛行)を行う場合は、あらかじめ「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」で飛行計画を通報しなければなりません。
「飛行計画の通報」を行わず特定飛行を行った場合は、罰則の対象となります。
7.飛行日誌を備えずに特定飛行を行った場合
<DIPS2.0画面>
ドローンを特定飛行する(した)場合、飛行・整備・改造などの情報を遅滞なく飛行日誌に記載しなければなりません。
特定飛行を行う際に飛行日誌を備えない、飛行日誌に記載すべき事項を記載しない又は虚偽の記載を行った場合は、罰則の対象となります。
8.その他の罰則
色々と罰則が厳しいようなので、しっかりと法令を把握して飛行させないといけませんね。
そうですね。なかなか自身で学習するのは難しいと思いますので、登録講習機関でしっかりと学んで、操縦ライセンスを取得するというのも一つの方法ですね。
その他の違反行為も含めて罰則と一覧にしてみましたので、是非ご確認ください!
②自衛隊基地の上空をドローンが・・・会社役員を書類送検2024/10/7(静岡県富士市)
記事より一部抜粋
小型無人機などの飛行が禁止されている自衛隊施設の上空でドローンを飛ばしたとして、静岡県富士市に住む会社役員の男が書類送検されました。
小型無人機等飛行禁止法違反の容疑で書類送検されたのは富士市に住む会社役員の男(62)で、7月31日午前6時頃、航空自衛隊 御前崎分屯基地の上空でドローン1機を飛行させた疑いです・・・続きはこちら
「小型無人機等飛行禁止法」については、此方のニュースレターでも何度か取り上げてきましたが、国の重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止する法律ですね。
今回の施設は、対象施設は以下の通りです。
赤の枠が、対象施設上空(レッドゾーン)、青枠が周辺約300m(イエローゾーン)となります。
対象防衛関係施設及びその指定敷地等の上空で小型無人機等の飛行を行った者は、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられますので、飛行する場合は必ず事前通報を行ってください。
「小型無人機等飛行禁止法」の解説はこちらのバックナンバーで↓
③福島空港、ドローン飛行で滑走路を閉鎖 2024/11/7(福島県石川郡玉川村)
記事より一部抜粋
福島空港大阪線は6日、福島空港制限区域内でドローン飛行が発見され、滑走路が閉鎖となったため、伊丹発福島行きの全日空1697便が欠航した。110人が搭乗予定だった・・・続きはこちら
福島空港の制限表面は以下のとおりです。
約3.5㎞の水平表面と進入表面の上空は飛行禁止です。
特に空港に近い場所については、必ず空港管理者及び航空管制官に照会をし、制限高度以下で飛行するようにしてください。特に進入表面での飛行は、制限高以下であっても十分注意をお願いします。