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ドローンお役立ち情報Vol24『二等操縦ライセンスを取得しよう!(実地編)』

ドローン関連
当事務所では、ドローン関連の話題を毎月定期的にメンバー様にお届けいたしております。

①二等操縦ライセンスを取得しよう!(実地編)

ドローンのライセンスを取得するには?


<海事協会のHPより>

ドローンの操縦ライセンスを取得するのには以下の2つのパターンがあります。
①指定試験機関※1で開催される「学科試験」と「実地試験」に合格する。

②登録講習機関(ドローンスクール)で、学科と実地講習を受講し、当機関が行う「修了審査」に合格後、指定試験機関が開催する「学科試験」に合格する。
※1:2023年5月現在、海事協会のみ

①と②で、それぞれメリットとデメリットがありますが、特に費用面のみを比較すると・・・
初学者が二等操縦ライセンスを取得する場合の費用を比較してみます。
<パターン①で基本、限定変更(昼間、目視)を取得した場合>
二等学科試験・・・9,900円
二等実地試験:基本・・・20,400円
二等実地試験:限定変更(昼間・目視内)・・・計39,600円
身体検査:書類・・・5,200円
合計:69,990円

<パターン②基本、限定変更(昼間、目視)を取得した場合>
二等学科試験・・・9,900円
二等実地試験:基本・・・20,400円
登録講習機関での講習及び修了審査・・・約250,000円~350,000円
身体検査:書類・・・5,200円
合計:約285,500円~385,500円程度(概算です)

このように、取得費用に大きな違いがあります。ただし、パターン①の場合は、あくまで実地試験に「一発合格」した場合ですので、何度も落ちてしまうと、その分費用もかさむ可能性があります。

二等ライセンスの修了審査の内容


今回は、特にスクールで二等操縦ライセンスを取得する場合に受験する修了審査の内、基本と目視の限定変更の内容に焦点を当て、解説していきたいと思います。

修了審査の項目

登録講習機関(ドローンスクール)で行う「修了審査」では、ドローンの実技試験はもとより、机上試験や口述試験も行われます。それぞれの試験の内容は以下の通りです。
試験は、持ち点100点からの減点式採点法であり、二等の場合は、以下の(1)から(5)の試験を行い、トータルで70点の持ち点を確保した場合が合格となります。つまり、減点が30点を超えた場合は不合格です。

【修了審査】(基本・限定解除共通)
(1)机上試験
(2)口述試験(飛行前点検)
(3)実技試験
(4)口述試験(飛行後の点検及び記録)
(5)口述試験(事故・重大インシデント※2の報告及びその対応)
※2重大インシデントとは、航空事故が発生するおそれがあると認められる事態
机上試験

飛行計画の作成について以下の4問が出題されます。

(1) 航空法等の法令遵守
(2) 安全確保措置
(3) 機体の仕様、限界事項
(4) 自動飛行機能の設定(自動飛行する経路、危機回避機能の設定等)

減点:1問につき5点を減点する
回答時間:全部で5分以内

 

口述試験(飛行前点検)


<飛行前点検に使用する日常点検記録の様式>

飛行前の点検を適切に行うことができるかどうかを判定する試験です。基本と限定解除では一部内容が異なります。

<出題科目例>

〇飛行空域及びその確認
(1)飛行空域及びその周辺の状況に問題はないか。
(2)航空法等の違反はないか。
(3)必要な許可証、承認証、技能証明証等を携帯しているか。
(4)操縦者の体調等に問題はないか。
(5)気象状況に問題はないか。 

〇作動前点検
飛行日誌の項目にある、日常点検記録の様式に添って点検し、その様式に記録をしていきます。

<点検項目例>

(1) 各機器が確実に取り付けられているか。(ネジ、コネクター等の脱落やゆるみ等)
(2) 機体(ローター/プロペラ、フレーム、機体識別票等)及び操縦装置に外観の異常、損傷又はゆがみ等がないか。

〇作動点検

作動点検(例)
(1) 電源系統(機体及び操縦装置の電源を投入した際の状態)は正常か。
(2) 通信系統(機体と操縦装置の通信、GNSS の通信等)は正常か。
(3) 燃料の搭載量又はバッテリーの残量は十分か。
(4) リモートID機能の作動が正常であるか。
(5) 推進系統(発動機又はモーター等)は正常か。
(6) 自動制御系統及び操縦系統は正常か。
機体を離陸地点直上でホバリングさせた状態で、各操縦系統の操作を行い、機体が送信機が意図通りに作動するか。
(7) 機体に搭載したカメラの画像及び挙動に異常はないか※3
※作動点検に関する事項の確認後、機体を着陸させる。

減点:確認漏れ若しくは誤りが一つでもあった場合や記録漏れは10点を減点。
※3限定解除・目視のみ

実技試験(基本)

基本の実技科目は「スクエア飛行」「8の字飛行」「異常事態における飛行」の3つです。

<採点基準例>
〇検定中止(不合格)の例
危険な飛行、墜落、損傷、制御不能、飛行空域逸脱(レッドゾーン)、制限時間超過、操縦介入、操作介入、不正行為等

〇5点減点の例

飛行経路逸脱(イエローゾーン)、指示と異なる飛行、離着陸不良、監視不良、安全確認不足

〇1点減点の例
不円滑、ふらつき、機首方向不良

制限時間8分

<実技審査の詳細>
〇スクエア飛行
GNSS、ビジョンセンサーをONの状態で、機首を受験者から見て前方にむけて離陸を行い、高度
3.5メートルまで上昇し、5秒間ホバリングを行い、その後、機首を進行方法に旋回し、A→B→C→D→E→A→ホームの順に移動して着陸する。

〇8の字飛行
GNSS、ビジョンセンサー等をONの状態で、機首を受験者から見て前方に向けて離陸を行い、高度1.5メートルまで上昇し、5秒間ホバリングを行い、その後、機体の機首を進行方向に向けた状態で直径5mの円の上を8の字を描くように連続して二周飛行して、ホームポジションへ戻り着陸する。

〇異常事態における飛行
GNSS、ビジョンセンサーをONの状態で、機首を受験者から見て前方にむけて離陸を行い、高度

3.5メートルまで上昇し、5秒間ホバリングを行い、その後、A→B→E間を直線上に飛行する。そして、審査員からの指示があり次第、最短の飛行経路で指定された緊急着陸地点に着陸を行う。

実技試験(限定変更・目視)

限定解除・目視の実技科目は「スクエア飛行」「異常事態における飛行」の2つです。

尚、採点基準等は、基本と同じです。
制限時間5分

<実技審査の詳細>
〇スクエア飛行
GNSS、ビジョンセンサーをONの状態で、機首を受験者から見て前方に向けて離陸を行い、高度
3.5メートルまで上昇する。その後、審査員の指示で受講者は機体を見えないようにして、常に機首を進行方向に向けたまま、カメラ画像のみを確認してA→B→C→D→E→Aの順に移動し着陸する。

〇異常事態における飛行
GNSS、ビジョンセンサー等をOFFの状態で、目視内で機首を受験者から見て前方に向けて離陸を行い、高度3.5メートルまで上昇し、ホバリングを行う。ホバリング中は、離着陸地点をカメラで確認できるようにする。 その後は、審査員の指示で、受験者は機体が見えないようにし、 10秒間目視外でホバリング
した後に、試験員の指示で機体を目視できる状態に戻り、目視内で着陸を行う。

口述試験(飛行前点検)

飛行後の点検と記録を適切に行うことができるかどうかを判定する試験です。

<出題科目例>
飛行日誌の項目にある、日常点検記録の様式に添って点検し、その様式に記録をしていきます。

<点検項目例>
〇飛行終了後の点検

(1) 各機器が確実に取り付けられているか。(ネジ、コネクター等の脱落やゆるみ等)
(2) 機体(ローター/プロペラ、フレーム、機体識別票等)の外観、損傷、ゆがみ等がないか。
(3) 各機器の異常な発熱はないか。
(4) 機体へのゴミ等の付着はないか。

〇飛行後の記録

作動点検(例)
無人航空機の飛行日誌の様式に、実施した飛行を記録させる。飛行時に異常が認められた場合は、当該様式に不具合事項を記載する。

減点:確認漏れ若しくは誤りが一つでもあった場合や記録漏れは10点を減点。

以上で終了です。特に口述試験については、減点が大きいため、順序と問答をしっかりと覚えて試験に臨む必要がありますね。

②サミットと小型無人機等飛行禁止法

広島サミット開催による無人航空機の飛行規制

いよいよG7広島サミットが開催されますが、それに伴い、『小型無人機等飛行禁止法』に基づく飛行禁止区域が指定されております。
この法律につきましては、「
12月期メンバー向けドローン情報」でもご紹介しておりますので、詳しくはそちらの記事をご参照頂ければと思いますが、簡単に言いますと、「国の重要な施設の上空とその周辺約300mについては、無人航空機の飛行が禁止される」というものです。
ただ、この法律は、所定の場所だけでなく、国際会議や国際的なスポーツイベントなどでも、時限的に設定される場合があり招くイベント等でも、今回のサミットもその一例です。

<広島サミット開催に伴う、小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止についての警察庁のお知らせ>

「G7広島サミット」の開催に伴い、「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」(以下「小型無人機等飛行禁止法」という。)に基づく飛行禁止区域が指定されました。
小型無人機等飛行禁止法に基づき、 令和5年5月18日(木)から5月22日(月)までの期間、対象施設及びその周辺地域の上空における小型無人機、操縦装置を有する気球、ハンググライダー(原動機を有するものを含む。)、パラグライダー(原動機を有するものを含む。)等の飛行は、禁止されます。また、G7広島サミットの開催に際しては、「G7広島サミット開催時における小型無人機の飛行の禁止に関する条例」(以下「広島県条例」という。)の規定により、広島県知事が指定する地域等の上空においても、小型無人機の飛行が禁止されますので、併せて御注意ください。飛行禁止区域等の詳細については、下記のホームページを御確認ください。(一部略)

○小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止区域に関する情報
外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/page23_004239.html

○小型無人機等飛行禁止法に関する情報
警察庁ホームページ
https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/index.html/

○広島県条例に関する情報
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police/report-policesummit.html

③航空法違反の可能性!国交省、道路上でドローン動画(香川)


<5月3日毎日新聞電子版記事より>

一部記事抜粋
 国土交通省香川河川国道事務所(高松市)が、ドローン(無人航空機)で道路を撮影した動画をツイッターに投稿したところ、「法令違反では」との指摘が相次ぎ、急きょ削除する事態となった。ドローン飛行の所管省庁は同じ国交省であり、ドローン操縦者らから「事前チェックはしなかったのか」などと疑問の声が上がっている。航空法などに抵触する恐れがあるとして、国交省大阪航空局が投稿の経緯を調べている。

問題になっている動画は私も視聴しました。飛行地は人口集中地区ではありませんが、4車線道路の国道上空で、一般車両が通行しておりました。仮に包括許可承認を取得している場合でも、いくつか違反飛行に当たる可能性がある点がありましたので、以下に記載致します。

<標準マニュアル2に抵触する可能性>
3.安全を確保するために必要な体制 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制
(5)飛行させる際には、安全を確保するために必要な人数の補助者を配置し、相互に安全確認を行う体制をとる。
(6)補助者は、飛行範囲に第三者が立ち入らないよう注意喚起を行う。
(10)高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近では飛行させない。
(11)高圧線、変電所、電波塔、無線施設などの施設上空及び付近では飛行させない。

こちらの項目に抵触する場合は、包括ではなく個別の許可承認申請が必要となります。
また、操縦者が手元のモニターを確認している場合は目視外飛行となりますが、その際は補助者が機体を目視で確認する必要があります。もし補助者が目視で確認できない場所で、しかも下に通行人がいた場合は、レベル3の飛行に当たりますので、当然航空法違反となります。

そもそも、所管の官庁がこのような飛行をするのはいかがなものかと思いますので、十分注意して頂きたいですね。
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