

誰も使っていない実家や別荘、どうにか活用できないかな…

そう考えているなら、民泊として活用する選択肢があります。
ただ、安易に始めてしまうと、後から「法令に違反していた!」「近隣トラブルになった!」といった問題が発生することも少なくありません。
今回は、既存の住宅を民泊として運営するために、事前に確認すべき3つの重要なポイントをわかりやすく解説します。
1. 用途地域と民泊の相性をチェックしよう
民泊を始める前に、まず物件がある場所の「用途地域」を確認しましょう。用途地域は、地域ごとに建てられる建物の種類が定められており、民泊が可能かどうかは地域によって異なります。
たとえば、第一種低層住居専用地域のように、住環境を保護する目的の地域では、旅館業法に基づく民泊が条例で禁止されている場合があります。

用途地域を調べるには、各自治体が公開している都市計画図で確認することが出来ます。中には、住所等で検索できる地図システムを用意している自治体もあります。また、検索システムが無い場合でも、多くの自治体はHP上で都市計画のMAPを公開しているので、そこで大まかな情報は確認できます。調べる項目は以下の3つです。
①都市計画区域に該当するか否か
②用途地域の種類
③市街化調整区域に該当しないか
※詳細を調べるためには、必ず事業を計画している場所の自治体に問合せてください。
東京都・・・都市計画情報等インターネット提供サービス
大阪市・・・マップナビおおさか
京都市・・・都市計画情報等検索ポータルサイト
福岡市・・・福岡市Webマップ
熊本市・・・熊本市地図情報サービス
沖縄県・・・沖縄県地図情報システム
※多くの自治体は、上のような検索システムを用意しておりませんので、MAPで調べる必要があります。
2. 建築構造と防火・耐震基準を簡易チェック
次に、建物の建築構造と防火・耐震基準の確認も欠かせません。民泊運営では不特定多数の利用者が訪れるため、安全基準を満たす必要があります。
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木造2階建ての場合、隣接する建物への延焼を防ぐための「延焼防止措置」が適切に施されているか。
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鉄骨造の場合、外壁に求められる「耐火性能」が基準を満たしているか。
これらの情報は、物件の「建築確認済証」や「検査済証」で確認できます。書類が見つからない場合は、専門の設計事務所や行政書士に依頼して、必要な改修工事の有無を早めに把握しておくことが大切です。
3. 民泊運営で必須の3つの設備チェックポイント
民泊では、宿泊者の快適さを確保するために、既存の設備をアップデートする必要が出てきます。特に以下の3つの設備は、優先的にチェックしておきましょう。
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電気容量: エアコンや電気ヒーターの使用が増えるため、分電盤や幹線容量に余裕があるか確認し ましょう。
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ガス給湯: シャワーやキッチンの利用頻度が高くなるため、より能力の高いガス給湯器への交換を検討しましょう。
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防災設備: 火災報知器、消火器、避難器具の設置は必須です。設置場所を定めた上で、消防署に事前相談しておくことで、スムーズな手続きが可能です。
4.新たなポイント:近隣住民への配慮とトラブル防止策は徹底しよう!

民泊は近隣住民の理解があってこそ営業できます。
トラブルを避けるためには、単に法令を遵守するだけでなく、近隣住民への配慮と丁寧なコミュニケーションが不可欠です。
1.騒音問題
これは民泊で最もよくあるトラブルです。静かな住宅街にある物件で特に深刻になりがちです。
・夜間の大声・騒ぎ声: 友人同士や家族連れのゲストが、夜遅くまでリビングで大声で話したり、音楽を大音量で流したりすることがあります。特に、海外からのゲストの場合、日本の住宅街の静けさに慣れていないため、無意識のうちに騒音を発生させてしまうケースが見られます。
・出入りの際の騒音: ゲストが早朝や深夜にチェックアウトする際、スーツケースを引くガラガラという音や、ドアや窓の開閉音が響き、近隣住民の睡眠を妨げることがあります。
・共用部でのマナー違反: マンションやアパートの一室を民泊にしている場合、共用廊下やエレベーターでの話し声、またベランダでの喫煙や会話がトラブルの原因になることがあります。
2.ゴミ出し問題
ゴミ出しのルールは地域ごとに異なり、ゲストがこれを守らないことがトラブルに発展します。
・分別が守られない: ゴミの分別方法(燃えるゴミ、プラスチック、瓶・缶など)が地域のルールと異なっていたり、ゲストがそのルールを把握していなかったりする場合、不適切なゴミ出しが行われます。
・ゴミ出し日・時間が守られない: 地域のゴミ収集日が分からないため、指定された曜日や時間以外にゴミを出してしまうことがあります。
・不法投棄: ゲストがゴミを分別せず、まとめて不法投棄したり、民泊物件の敷地外に放置したりするケースも報告されています。
3.不審者問題
民泊物件には見慣れない人が頻繁に出入りするため、近隣住民が不安を感じることがあります。
・セキュリティへの不安: ゲストの出入りが多いため、誰が住民で、誰がゲストなのかがわからず、不審者が入り込んでいるのではないかという不安を抱かせてしまいます。
・プライバシーの侵害: 見知らぬ人が頻繁に周囲をうろついたり、写真を撮ったりすることで、近隣住民がプライバシーを侵害されていると感じることがあります。
・鍵の管理問題: 鍵の受け渡しを無人で行う場合、鍵の紛失や流出により、第三者が物件に侵入するリスクが生じます。
4.その他
・駐車場・駐輪場問題: ゲストが近隣の私有地や共有スペースに無断で駐車・駐輪する、あるいは複数のゲストが車で訪れて路上駐車が増えるなど、交通関連のトラブルが発生することがあります。
・物件の利用方法に関する問題: 事前に申告した人数よりも多くのゲストが宿泊したり、物件内でパーティーを開いたりするケースがあります。
・緊急時の連絡不備: 騒音やゴミ出しのトラブルが発生した際に、民泊の運営者とすぐに連絡が取れない場合、近隣住民の不満が爆発し、行政や警察に通報される事態に発展する可能性があります。
まとめ
既存の住宅を民泊物件として活用することは、大きな収益につながる魅力的な事業です。しかし、法令の適合性を無視して運営すると、後で大きなトラブルにつながりかねません。
このブログで紹介した「用途地域」「建築基準」「設備」の3つのポイントを参考に、まずは物件が民泊として適しているかをしっかり確認してみましょう。行政書士などの専門家をうまく活用し、安心して民泊事業をスタートしてください。




