
ドローン関連の勉強をしていると「レベル4」とか「カテゴリーⅢ」とか、色んな言葉が出てきて混乱してしまいます……。
さらには「レベル3.5」といった新しいルールも増えたと聞いて、何がどう関係しているのかさっぱり分かりません!

お気持ち、とてもよく分かります!
ここ数年でドローンの法整備は急速に進み、用語やルールが一段と複雑になりました。
実務上、最も混同しやすいのが「レベル(飛び方の技術)」と「カテゴリー(法律上の手続き)」です。これらは全く別の視点から定義されているものなんですよ。

全く別の視点なんですか?
それぞれの違いや、最新のルール変更について、初心者にも実務に使える形で分かりやすく教えてほしいです!

かしこまりました!
これさえ読めば2026年のドローン法務がすべて理解できる「包括的な解説ガイド」を作成しました。
専門的な内容も、比較表や具体例を交えてスッキリ頭に整理できるよう解説しますね。さあ、一緒に見ていきましょう!
ドローンの「レベル」と「カテゴリー」の違いとは?
1. ドローンの「レベル」と「カテゴリー」は何が違う?根本定義を解説

ドローン規制を正しく理解するための第一歩は、これら2つの言葉の「定義」を分けることです。
ドローンの「レベル」=【空の飛び方の進化段階(運航の形態)】

「レベル」とは、日本政府が示すドローン実用化ロードマップにおける「どのような技術や環境で飛ばすか」を表す指標です。
※こちらの資料は、平成28年4月28日の小型無人機に係る環境整備に向け官民協議会で配布された「利活用と技術開発のロードマップ」です。
レベル1からレベル4(近年は一部緩和されたレベル3.5も登場)まであり、数字が大きくなるほど高度な飛行方法になります。
詳しい資料はこちら→[小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会]

国土交通省資料:無人航空機に係る取組の方向性について
レベル1:目視内(目の届く範囲)での手動操縦(例:通常の空撮や機体点検)
レベル2:目視内での自動・自律飛行(例:あらかじめルートを設定した自動農薬散布)
レベル3:無人地帯(山林や離島など)での、補助者なし目視外飛行(例:過疎地への自動配送)
レベル3.5:レベル3の安全要件をカメラ等による常時監視を前提に一部緩和した目視外飛行
レベル4:有人地帯(住宅街や都市部など)での、補助者なし目視外飛行(例:街中での自動配送)

つまり「レベル」とは技術的到達度や運航シナリオを示す「政策・開発上のロードマップ指標」ということです。
ドローンの「カテゴリー」=【法律上、求められる手続きの重さ(飛行リスクの度合い)】

「カテゴリー」とは、航空法に基づいて定められた「その飛行のリスクに応じた、必要な安全確保と申請手続きの区分」です。リスクの低い順からⅠ・Ⅱ・Ⅲの3つに分類されます。

カテゴリーⅠ(低リスク):
特定飛行※に該当しない、最も安全な飛行。国への許可・承認申請は不要です 。
カテゴリーⅡ(中リスク):
人口集中地区(DID)の上空や夜間、目視外など、航空法に定める「特定飛行」を、第三者が立ち入らない措置(立入管理措置)を講じた上で飛行する形態。原則として事前に国への飛行許可・承認申請が必要です 。
カテゴリーⅢ(高リスク):
特定飛行のうち、飛行経路の下に「立入管理措置」を講じずに行う飛行(=第三者の上空を飛行する)。落下時のリスクが非常に高いため、一等操縦ライセンスと第一種機体認証の保有が前提となり、国による厳格な個別審査・許可が必須となります。
※特定飛行とは、一言で言うと「国(国土交通省)の許可や承認が必要となる、リスクのある場所や方法でのフライト」のことです。
・第三者:ドローンの運航に直接関与していない人(通りすがりの歩行者、近隣の住民など)を指します 。
・立入管理措置:ドローンの飛行経路下に、これらの第三者が立ち入らないよう制限すること(コーンの設置や監視員の配置など)を意味します。
2. 【比較相関図】「飛び方のレベル」×「リスクのカテゴリー」一覧表

「レベル(飛び方)」と「カテゴリー(手続きのリスク区分)」が、実務上どのように連動するのかを相関表にまとめました。
| 飛び方(レベル) | 第三者の上空 | リスク区分(カテゴリー) | 国への申請手続きの要否 |
|---|---|---|---|
| レベル1 (無人地帯での目視内飛行) |
飛行しない | カテゴリーⅠ | 申請不要(機体登録や飛行日誌は必要) |
| レベル2、3、3.5 (DID・夜間・目視外など) |
飛行しない | カテゴリーⅡ | 原則、個別申請が必要 ※国家ライセンス+機体認証があれば一部許可承認申請が不要になる |
| レベル4 (有人地帯・目視外など) |
制限なし | カテゴリーⅢ | 一等操縦技能+第一種機体認証が必須の、厳格な個別申請が必要 |

★手続きの急所:
どれだけ高い飛行技術(レベル)を計画しても、最終的な手続き(カテゴリー)を決定する最大の境界線は、「飛行経路の下に第三者が立ち入るかどうか(立入管理措置を講じるか)」になります。
3. 【レベル3、3.5飛行】補助者なし目視外飛行(無人地帯)を実現するための要件

補助者(監視員)を配置せずに、山林や離島などの「無人地帯」をドローンで飛行させて荷物配送や広域点検を行うのが「レベル3」および「レベル3.5」飛行です。これらは「カテゴリーⅡ(飛行許可・承認申請が必要な飛行)」に該当します。
① 通常の「レベル3飛行」を行うための必須手続き

レベル3飛行は、第三者が立ち入らないエリアで目視外自動飛行を行うため、以下の手続きが厳格に求められます。
どれだけ操縦ライセンスや機体認証を持っていたとしても、補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行等)を行う場合は、国(航空局)への個別の許可・承認申請が必須となります。
航空情報(NOTAM)の発行手続き(1開庁日前まで):
機上や地上に設置されたカメラ等で予定経路における「他の航空機・ドローンの状況を常に確認できない」場合、飛行する1開庁日前までに飛行内容通知書を管轄の地方航空局へ提出し、NOTAM(有人機への注意喚起情報)を発行してもらう必要があります。
航空機の運航者への事前周知:
飛行経路に有人ヘリ(ドクターヘリ等)が進入するリスクを避けるため、指定の様式を用いて有人航空機の運航者への事前周知が必要となります。
② さらに制限が緩和された「レベル3.5飛行」

従来のレベル3飛行は「補助者の配置」や「看板の設置」などの物理的な立入管理措置が必要で、運航者の大きな負担となっていました。 これらを劇的に解消したのが「レベル3.5飛行」です。
・前提条件:「操縦ライセンス(技能証明)」の保有が必須です。
・技術要件:機上・地上にカメラ等を備え、遠隔から飛行経路上の状況を常に監視・確認できるシステムが必要です。
・最大のメリット:これらをクリアすることで、これまで必須だった「補助者の配置」や「看板等による立入管理措置」を大幅に省略できます。

※実務の注意点:レベル3.5飛行の申請窓口は、通常の地方航空局ではなく、「本省航空局(無人航空機安全課 制度改正担当)」での事前相談が必須となっています。相談を終えて「管理番号」が発番されたのち、DIPS 2.0から電子申請を行うのが正しいフローです 。
4. 【レベル4飛行】有人地帯の上空を自動飛行(カテゴリーⅢ)させるための要件

ドローンの究極の運用形態であり、立ち入り管理を行わずに「第三者が暮らす都市部や住宅街の上空」を目視外自動飛行させるのが「レベル4飛行(カテゴリーⅢ)」です。 DIPS 2.0への通報はもちろん、あらゆるドローン規制の中で最も厳格な安全基準が課されます。
① レベル4飛行(カテゴリーⅢ)を行うための3つの絶対条件

レベル4飛行を屋外で実施するためには、以下の3つの要素がすべて揃っていなければなりません。
-
操縦者:「一等無人航空機操縦士」の保有(必須)
ドローンの国家資格における最難関「一等」ライセンスの保有が必須条件です。二等ライセンスではレベル4を飛行させることはできません 。使用する機体:「第一種機体認証」の取得(必須)
万が一のシステムトラブルや通信途絶時でも、地上の第三者に危害を及ぼさないレベルの極めて高い安全基準(落下時の衝撃緩和や冗長設計など)を満たした、第一種認証機を使用する必要があります 。運航管理:運航リスク評価に基づく「飛行マニュアル」の作成と国交大臣の許可
飛行させる具体的な場所のリスク評価(空域の特性や落下想定範囲の人口など)を行い、適切な安全確保措置を盛り込んだ「飛行マニュアル」を作成し、国土交通大臣宛てに個別に申請して許可・承認を得る必要があります。
② 【2026年最新情報】「エリア単位」でのカテゴリーⅢ(レベル4)申請の本格化

これまでレベル4飛行は、飛行する「線(細かい経路)」を特定して申請するのが原則でした。 しかし、2026年4月21日に「エリア単位でのカテゴリーⅢ飛行(レベル4飛行)における留意事項、事例集等(第2版)」が公表されました [20, 21]。 これにより、あらかじめ指定した「エリア(面)」全体において、障害物を自動で迂回しながら縦横無尽にレベル4飛行を運用するための法的な手続き・ガイドラインが具体化され、ドローン宅配や都市部での警備・点検ビジネスの実用化が大きく前進しています。
・飛行計画の事前通報(DIPS 2.0)[違反時は30万円以下の罰金]
・「飛行日誌」への遅滞なき記載と保管[違反時は10万円以下の罰金]
・事故等発生時の「救護義務」および「72時間以内の航空局への速やかな報告」

いかがでしたか? 補助者を置かない「レベル3・3.5」や、街中を飛ぶ「レベル4」は、事務作業や機材の準備、国との事前調整のハードルが一気に高くなります。
行政書士・FPみらい法務事務所

当事務所では、ドローンの最新法令に基づいた適切なアドバイスや、複雑な飛行許可申請(空港周辺や催し場所上空など)はもちろん、レベル3.5飛行における本省事前相談窓口との交渉までフルサポートしております。 「自社でも目視外のビジネスを始めたいけれど、どこから手を付ければいいか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください!




