①事故等の報告及び負傷者救護の義務化
航空法改正による事故報告等の義務化と罰則
令和4年12月5日の改正航空法施行により、事故を含む重大インシデントの報告が義務化されましたのでご説明いたします。
【第132条の90】
次に掲げる無人航空機に関する事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、直ちに当該無人航空機の飛行を中止し、負傷者を救護することその他の危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。
1 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊
2 航空機との衝突又は接触
3 その他国土交通省令で定める無人航空機に関する事故
2 前項各号に掲げる事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、当該事故が発生した日時及び場所その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に報告しなければならない。
【第157条の6】
第132条の90第1項の規定に違反して、危険を防止するために必要な措置を講じなかつた者は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
【第157条の10】
第132条の90第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、30万円以下の罰金に処する。
条文だとなかなか分かり難いですので、どのようなことに報告義務があるかを簡単にまとめてみました。
<事故>
1.無人航空機による人の死傷(重傷以上の場合)
2.第三者の所有する物件の損壊
3.航空機との衝突又は接触
<重大インシデント>
1.航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認められるもの
2.無人航空機による人の負傷(軽傷の場合)
3.無人航空機の制御が不能になった事態
4.無人航空機が発火した事態(飛行中に発生したものに限る)
報告方法
報告は「ドローン基盤情報システム2.0(通称:DIPS2.0)」から行います。
詳しい報告方法は以下の通りです。(以下航空局DIPS2.0画面を引用しております)
DIPS2.0のリンクはこちら
(1)『各手続き手順の確認』からドロップダウンリストを開き、最下部の「事故等の報告」を選択します。
(2)『事故等の報告へ』のボタンをタップします。
(3)ログインIDとPASSWORDを入力して『ログイン』ボタンをタップします。
※アカウントの取得が不明な方は、こちらの記事をご確認ください
(4)「事故等報告メインメニュー」画面を開いたら、『事故等の報告(飛行許可・承認申請あり)』のボタンをタップします。※許可承認を取得していない場合は、(飛行許可・承認申請なし)をタップしてください。
(5)「事故情報管理/事故情報登録(電子申請)」画面が開いたら、必要事項を漏れなく入力し、最下部の『報告』ボタンを押して完了です。
報告された事故等は、「無人航空機に係る事故等報告一覧」に掲載されます。
是非ご一読いただき、事故や重大インシデントが発生した場合は、必ず報告するようにしてください!
②茨城県、土浦花火大会でドローンの未承認飛行により検挙
事件の経緯
茨城新聞社(Yahooニュース)2023年2月7日14:04の記事より
以下、記事を抜粋
茨城県警土浦署は7日、航空法違反容疑で、同県かすみがうら市、会社員、男(43)を水戸地検土浦支部に書類送致した。容疑は、昨年11月5日午後7時ごろ、国土交通大臣の承認を受けずに、土浦市虫掛で無許可でドローンを飛行させた疑い。当日は第91回土浦市全国花火大会が開催されていた。同署によると「きれいな花火を撮影したかった」と容疑を認めている。警備中の署員が飛行中のドローンを見つけ、操作していた男を職務質問した。
花火撮影の注意点
ちなみに打ち上げ場所を「地理院地図」で確認してみるとこのようになります。
地元ではないので詳しくは分かりませんが、「土浦全国花火競技大会」は、地図中央の市民運動広場内から打ち上げが行われるようです。
記事だけではどこからドローンを飛行させたか不明ですが、場所的にはDIDに隣接していることが伺えます。また、花火大会ということで、おそらく当日は、この周辺は花火見物客で人だかりが出来ていたものと推測されます。
そこで、仮にこちらの花火大会撮影をする場合、以下のような許可承認が必要と考えられます。
・人口集中地区上空の飛行許可
・夜間飛行の承認
・夜間飛行及び人口集中地区での目視外飛行承認
・催し場所上空の飛行承認
<その他留意事項>
・イベント主催者との調整
・所轄の警察署への事前相談
イベント主催者のOKが無ければ、飛行できませんのでくれぐれもご注意ください。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、ドローンの飛行日誌等の作成義務化に伴い、2月1日よりドローン飛行日誌作成・情報管理サービスを、個人会員向けとして無料提供を始めております。こちらのサービスはJUIDAの公式サイトから入ることができます。
ドローンで迷子探し(中国重慶市)
<CGTN Japan 2/4のYahooニュースよhttps://news.yahoo.co.jp/articles/b47b37403bb4b547da6b7cd4edc8f119798e0c74
記事抜粋
公安局特殊警察航空チームはこのほど、同市のビジネスエリアでドローンを使い空中パトロールを行った時、市民から急きょ助けを求められ、迷子になった子どもを無事見つけました・・・
日本ではカテゴリー3の飛行に当たるため、現時点でこのような事例を日本で行うことはは難しいと思いますが、第一種機体認証を取得した機体が登場すれば、現実的にこのようなドローンによる捜索も可能になるかと思います。
レター関連のご質問や許可承認のご依頼は以下の問い合わせよりお受けいたします。是非お気軽にお声がけください。