今日は久しぶりにドローン行政書士の佐藤です。
DJI FPV発売されました。かなり売れてるようですね。私はまだ購入してないのですが、早速、数件の申請依頼を頂いております。そこで今日は、FPV機の飛行許可承認についての注意点について書いてみたいと思います。。
ちなみにDJI FPVの詳細はこちらです。
FPV飛行とは
FPV(First Person View)=Google先生の翻訳だと一人称ビューとなります。ビューは訳してくれないんですね…とりあえずここでは視点とします。狭義な意味でのFPVとは、ドローンにとりつけたカメラからの映像を、ゴーグルで視認しながら送信機(プロポ)で操舵する飛行形態(貼り付けのPVを参照)を指します。この操縦形態の特徴は、よりドローン目線で操縦できることから、ドローンレースなど、目視飛行では視認できないような高速飛行をする際に適した操縦形態と言えます。
当然、ゴーグルを装着しての操縦となりますので、視野がカメラで写されている範囲に制限されます。そこで、周辺の安全確認については通常の飛行より入念に行わなければなりません。
※今回取り上げる「DJI FPV」については、2.4GHz帯域を使用して映像伝送をする場合、電波法の「免許」は不要ですので、電波法は割愛します。
飛行許可承認申請をする場合の注意点
DJI FPVにいての話なので、今回は、この機体を飛行させる場合の法令上の注意点を記載します。まずは「航空法」について注意する点です。
- 航空法 第2条 第22項 及び 航空法施行規則第5条の2
- 航空法 第132条の2 第6号(目視の範囲内での飛行)
- 航空法 第132条 第2号
- 資料の一部を省略することが出来る無人航空機
- 飛行場所を特定しない申請(飛行の経路の特定が必要な飛行を除く)の飛行マニュアル
細かく言えばほかにも注意することはありますが、DJI FPVを飛行させるのに最低限必要な項目を列挙しました。それではこちらを詳しく解説していきますね。
-
航空法 第2条 第22項 及び 航空法施行規則 第5条の2
航空法第2条 第22項
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。
航空法施行規則 第5条の2
法第二条第二十二項の国土交通省令で定める機器は、重量が二百グラム未満のものとする。
こちらの2つの条文を簡単に要約すると、「航空法の指すドローンというのは、200グラム以上のもの」ということになります。
DJI FPVの離陸重量はカタログスペックでは「795g」となっておりますので、航空法が適用されます。つまり、この機体に関しては、航空法の定める「決まり」に従った飛行をしなければならないということです。その「決まり」とはなんでしょうか?
-
航空法 第132条の2 第6号(目視の範囲内での飛行)
航空法 第132条の2 第6号
無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
6 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。
-
航空法 第132条 第2号
航空法 第132条 第2号
何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。
この国土交通省令は、航空法施行規則というもので、この236条の2では「人又は家屋の密集している地域は、国土交通大臣が告示で定める年の国勢調査の結果による人口集中地区とする」と定めています。これが一般的に「人口密集(DID)地区」と言われるものです。
ちなみに国勢調査は昨年行われておりますので、おそらくこの「人口密集(DID)地区」は、今年変更があると思われます。
日頃からドローンを飛ばさている方は、ここまではご存じの通りですが、実は、ここからが大事。
-
資料の一部を省略することが出来る無人航空機
実は、この「省略」はかなり大事で、日頃よりどDIPS(ドローン情報基盤システム)での許可承認申請に慣れている「プロ」の方であればまったく気にならないかもしれませんが、一般の方はかなりご苦労すると思います。
通常、ドローンの飛行申請をする場合、機体の登録をしなければなりません。ただし、予め国で定められた要件に適合している機体については、以下の項目の入力及び添付が免除されます。
- 機体の設計図又は写真
- 操縦装置の情報と写真
- 機体の運用限界点と取扱説明書
- 操縦モードと取扱説明書
この「免除規定」が適用されるか否かの判断は、「資料の一部を省略することができる無人航空機」に、機体が登録されているかどうかで分かります。
もちろん、発売されて間もない機体については、登録がされていないので、上記の事項をすべて入力する必要があります。
今までの経緯からすると、DJI機については、通常3ヵ月から1年で登録されておりますので、「それまで待つ」のも一つの方法ですね。
・飛行場所を特定しない申請(飛行の経路の特定が必要な飛行を除く)の飛行マニュアル
一般的に言う「飛行マニュアル」です。ここでは、場所指定無し(包括)の許可承認申請の際に添付する飛行マニュアルを指します。
申請者は、ドローンの飛行許可承認を取得する際に、航空局に「航空局が定めた審査要領について、私はこのように安全措置を講じます」という約束事を記載して、提出しなければなりません。
改正航空法が施行された2015年から2016年にかけては、このマニュアルは自作しなければならなかったのですが、これは作る側も確認する側も大変だということで、予め航空局が、「航空局標準マニュアル2」として許可が下りる内容のマニュアルを用意してくれるようになったわけです。
しかし、これにより、ほとんどの方がマニュアルの中身を見もせず、飛行させているという今の現状となったのです。
特に今回の DJI FPV でひっかかる項目は以下の箇所です。
3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制
・人又は家屋が密集している地域の上空では目視外飛行は行わない。3-4 目視外飛行を行う際の体制
・飛行の前には、飛行ルート下に第三者がいないことを確認し、双眼鏡等を有する補助者のもと、目視外飛行を実施する
要約すると、「人口集中(DID)地区での目視外飛行は行いません。また、目視外飛行を行う場合は、双眼鏡を持つ補助者を置きます」となります。
つまり、「目視外飛行は、人口集中地区はとばしません」また、「飛行できるエリアで飛ばす場合でも、補助者に双眼鏡を持たせて同行させます」と自ら、約束しているわけです。
このマニュアルでは人口集中地区ではもちろん、補助者なしでは飛行できないということになりますね。
もし、人口集中地区で飛ばしたい場合は、自ら作ったマニュアルを添付して申請する必要がありますので、くれぐれもご注意ください。
ドローンの許可申請は難しくありませんので、是非必要な許可承認を取得した上で、安全安心な飛行を心掛けるようにしてください。ただ、ドローンに関する航空法に関しては毎年改正されておりますで、なかなかフォローできないかたも多いと思いいます。当事務所は、そういった方のために年間サポートも充実させておりますので、まずは相談ください。
[contact-form][contact-field label=”名前” type=”name” required=”true” /][contact-field label=”メール” type=”email” required=”true” /][contact-field label=”サイト” type=”url” /][contact-field label=”メッセージ” type=”textarea” /][/contact-form]