令和2年4月1日 国土交通省航空局標準マニュアル改訂

面談での許可申請の様子

ドローン行政書士の佐藤です。

本日、とある建設会社様向けに、ドローンの納品と同時に、飛行の許可承認申請と飛行情報共有システム(FISS)の設定を行いました。その際クライアント様に、4月1日に変更されたばかりの「飛行マニュアル」についてもご説明しました。

『ん?…マニュアル?と』思った方、知らないうちにマニュアル違反の飛行をしているかもしれませんよ。
というのも、セミナーや安全講習会でよく、この飛行マニュアルについての「認知確認」するのですが、「読んだことがある」という方は非常に少ないです。そういうことで、今日は意外と読まれていない「飛行マニュアル」の話です。

※ちなみに、今回の標準マニュアルの変更内容は、特に熊本の場合は重要で、「制限表面内」と「150m以上」の空域の申請先が熊本空港事務所から関西空港事務所に変更になりました。皆さんもお間違えないように。(岩国と丘珠空港も変更になっております)

国土交通省航空局標準マニュアルとは

無人航空機(ドローン)は、「航空法」第132条または132条の2で、その飛行空域や飛行方法が規制されており、国土交通大臣の許可または承認がない限り、その空域や飛行方法にて飛行させることができません。

(飛行の禁止空域)
第百三十二条何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域
前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空
(飛行の方法)
第百三十二条の二無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。ただし、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、第五号から第十号までに掲げる方法のいずれかによらずに飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて国土交通大臣の承認を受けたときは、その承認を受けたところに従い、これを飛行させることができる。
一から四は省略
日出から日没までの間において飛行させること。
当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。
当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。
祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。
当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。
地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。

そして、その飛行の許可・承認を取得するには、所定の申請をする必要があります。その申請方法は、「航空法施行規則」の第236条の3又は236条の8によって規定されております。

第二百三十六条の三
法第百三十二条ただし書の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない
氏名及び住所
無人航空機の製造者、名称、重量その他の無人航空機を特定するために必要な事項
飛行の目的、日時、経路及び高度
飛行禁止空域を飛行させる理由
無人航空機の機能及び性能に関する事項
無人航空機の飛行経歴並びに無人航空機を飛行させるために必要な知識及び能力に関する事項
無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する事項
その他参考となる事項
第二百三十六条の六
法第百三十二条の二ただし書の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
氏名及び住所
無人航空機の製造者、名称、重量その他の無人航空機を特定するために必要な事項
飛行の目的、日時、経路及び高度
法第百三十二条の二各号に掲げる方法によらずに飛行させる理由
無人航空機の機能及び性能に関する事項
無人航空機の飛行経歴並びに無人航空機を飛行させるために必要な知識及び能力に関する事項
無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する事項
その他参考となる事項
そして、上記の赤い太文字部分は、『申請書に、無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する事項を記載して提出しなさい』という意味です。
さらに「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領の4-3-2」にて、細かく記載内容が指摘されております。この内容にそって作成するのが「飛行マニュアル」です。

要は申請書の一部として、この「飛行マニュアル」を作って提出しなければ許可・承認が下りないというわけです。

2015年12月の法改正当初は、この「飛行マニュアル」は自分で作らなければならなかったので、非常に大変な作業でした。これはおそらく審査する航空局側も大変だったのでしょうね、2016年には「国土交通省航空局標準マニュアル」として、作成例がホームページ上に公開されました。

これにより、申請手続きがものすごく楽になったのですが、以降に許可・承認を取得された方の多くが、本来自分たちで作成しなければならない「飛行マニュアル」の内容を、まったく知らないという事態になった訳です。

航空局標準マニュアルは実務では使えない?

そういった訳で、おそらく「DIPS」にて申請をされている方のほとんどが、「国土交通省航空局標準マニュアル」でそのまま申請をしていると思われます。しかし、この「国土交通省航空局標準マニュアル」は実務ではほとんど使えない内容になっております。そもそも航空局が作っていマニュアルなので、当然、内容が厳しくなっているのは言わずもがなですね。

例えば、国土交通省航空局標準マニュアル②の

「3.安全を確保するために必要な体制」3-1に「風速5m/s以上の状態では飛行させない」

と記載があります。しかし、DJI製のMAVIC2シリーズの耐風性能は8.010.7m/sですので、かなりの開きがあります。

また、同じく3-1には

「人又は物件との距離が30m以上確保できる離発着場所及び周辺の第三者の立ち入りを制限できる範囲で飛行経路を選定する」

とあります。しかし、この「物件」は電柱、電線や道路も含まれますので、広大な敷地や山の中以外では、なかなか離発着できないことになります。

オリジナルマニュアルが必須

そのように「国土交通省航空局標準マニュアル」は実用的ではないということがお分かりいただけたかと思います。ではどうすればいいのか…?それは、ご自身の飛行プランにあった内容にマニュアルを書き換える作業が必要ということです。

どうしても、やり方ががわからないという方は、当事務所までご相談くださいませ。

※ドローンの飛行許可申請をご依頼頂きましたお客様には、当事務所のオリジナル飛行マニュアルを進呈しております。

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